猫に齧られたような朝のはじまり
著者である西尾勝彦(にしおかつひこ)は関西で展示形式の詩の発表、私家版の詩集制作などの活動を積極的に行っている作家です。本書「朝のはじまり」に収録された詩の多くは、住まいのある奈良の暮らしを描いたものです。彼が綴る丁寧な言葉の並びを眺めていると、その暮らしの光景がはっきりと想像できます。町のこと、家族のこと、彼の歩き方まで…。そして描かれた景色はどれも不思議と同じ温度と光を感じることができるのです。それはきっと、ここにある言葉のほとんどが、朝のやわらかな光に照らされて生み出されたものだからかもしれません。そう、彼はとても早起きなのです。先日彼にお会いした時に、夜は毎日21時寝ていると聞きました。
本の カバーは古書の劣化を防ぐためによく使用されるグラシン紙にステンシルで一枚一枚雲を描いてます。読み終わった後にカバーを外して朝の光を通すと、雲が浮かびます。また中には栞もオマケとして入っていて、カバー・栞ともイラストレーターのイケダユーコのイラストです。
- 著者:
- 西尾勝彦
- 発行日:
- 2010年5月1日 初版第1刷発行
2014年11月13日 初版第2刷発行 - ページ数:
- 72ページ モノクロ B6変形版
- カバー:
- イケダユーコ
- 装丁:
- 梅田唯史
西尾勝彦katsuhikonishio奈良在住。2008年より、私家版の小詩集を作り始める。2010年、『フタを開ける』(書肆山田)、『朝のはじまり』(ブックロア)を出版。2012年、『言の森』(ブックロア)を出版し、同年旅人と詩人の雑誌『八月の水』(ブックロア)を創刊する。関西、関東と定期的に個展や朗読会を開催。フリーペーパー「粥彦」を不定期で、手書きでマイペースに制作している。
https://www.nishio-katsuhiko.net/