誰かを想って描く、うどんスケッチ
ノブさんこと、一井伸行さんは、「NOBUうどん」という名前で、うどんを作るワークショップを20年続けています。大阪星ヶ丘のソーイングテーブルコーヒーでは、「うどん夜話」というイベントを不定期で開催し、ノブさんが気になっているゲストで呼び、その方の話を聞ききます。そして、その時にノブさんは、ゲストをイメージした特別なうどんを毎回振舞ってくれます。それをノブさんは「うどんスケッチ」と呼んでいて、絵は描けないので、うどんでその人を表現するのです。絵を描くよりも、ずいぶんと難しいことのように思いますが、毎回試行錯誤を重ねて、本当に美味しいうどんが、うどん夜話に来てくださった方の胃袋に入っていき、またそこから笑顔が生まれていきます。
そして、2017年の年末に、いままで作ってきた特別なうどんを、画家のマメイケダさんに描いてもらい、ソーイングテーブルコーヒーで展覧会を開きました。マメイケダさんは、食べ物や風景などを描く画家さんです。マメさんの絵の横には、うどん夜話でのエピソードが添えられていました。この「ノブうどん帖」は、その展覧会の図録として作られた一冊です。マメイケダさんの絵、そしてノブさんの文章がまとめられています。
ノブさんは、人を好きになると本当にまっすぐな人で、どんな遠くの場所でも、大好きな人にうどんを届けたり、うどん道具を持って、ワークショップに出かけたりもします。この一冊は、そんな人が大好きなノブさんの人柄が伺えます。マメイケダさんの絵も、ノブさんのうどんの美味しさを絵を通じて、しっかりと伝えています。きっと、この本を読んだあとには、うどんを食べた気持ちになるのではないでしょうか。
この本は、図録として制作されていますので、収録されているうどんは一部です。今後、完全版の本が出来上がる予定で、それもまた楽しみです。
【収録されているうどん】
「畑のめぐみ」
田井中スエさん
「玉黒・玉金」
SEWINGTABLECOFFEE玉井健二さん、恵美子さん
「土のやさしさ・西の天使」
画家 高田竹弥さん 奥様順子さん
「梅の冷やかけ」
テキスタイルデザイナー、画家 伊藤尚美さん
「海風」
美術作家 永井宏さん
「ねじり腰・やなぎ腰」
星ヶ丘洋裁学校 中山博之さん
「超フワフワ卵とじうどん」
切り絵作家 濱田久美子さん
「レモンうどん」
美術作家 小山千夏さん
「かぼすの清湯うどん」
iTohen鰺坂兼充さん 泉さん
「ベトナム風ナポリタン」
画家・絵本作家 ミロコマチコさん
「夏のいろ」
さんご 藤澤咲子さん
「レレ夏カレー」
デザイナー、ミュージシャン レーレー梅男さん
「春待ちうどん」
くるみの木 石村由起子さん
※「」内はうどんの名前です。
- サイズ:
- B5版P16
- 文:
- NOBUうどん一井伸行
- 画:
- マメイケダ