「船はどこへむかっているのだろう」
玉井健二さん、タマケンさんの舟は、どんな場所にでも、ぽんとあるだけで存在を感じます。たばこをプカーっとすっている、空を眺めてギターを弾いている作り手のタマケンさんの佇まいと、どこか似ています。静かだけど大きい。そばにあると安心する。やっぱり作品は、作り手の何かをかもしだすのでしょう。
以前、タマケンさんの舟を三人の方に、お礼の気持ちとして贈ったことがあります。年齢も、仕事も、住んでいる土地も違いましたが、みなさんとても喜んでくださいました。手にする人が、それぞれに何かを思うのでしょうね。かつて何かに使われていた木材が舟という形になったことで、いろんな思いをめぐらせるための、きっかけをくれるのだと思います。便りの舟「便船」なのだと、あらためて思います。
- サイズ:
- H150_W220_D290
- 素材:
- 針金/木材
玉井健二(たまいけんじ)
1966年8月13日生まれ 大阪府出身
SEWING TABLE COFFEE 店主
大阪の星ヶ丘という町で、SEWING TABLE COFFEE という喫茶を営んでいます。
珈琲をいれるかたわらで2008年から古木や流木を使って工作のような舟をつくり続けています。それは、その一日の記憶であったり、記録であったりします。
https://sewingtablecoffee.net