母さんのサイホン・セットと
手のひらサイズの大きな器がふたつ
珈琲豆と小さなアルコール・ランプ
それだけでいい
それだけ持って
向かって行こう
人と人を繕う、時間を繕う、気持を繕う。
時間の止まったような丘の上の古い学校の裏庭に、そんな気持を抱えた小さな喫茶室が生まれました。やがて、そこにはたくさんの仲間が集ってきて、季節の匂いの中で、風の音を聴き、歌をうたいはじめました。誰もが静かに気持を整理して、優しい時間を満喫することができます。そして、忘れ去られようとしていた、または、どこか懐かしい記憶としてかつてあったような気持を取り戻すことができたのです。
2002年に著者の玉井恵美子さんが小さな納屋ではじめた、SEWINGTABLECOFFEEを作るまでの日々の記録と裏庭から眺めた、たくさんの繕いの風景が収められています。カバーや挿画の切り絵は、そんな場所に惹かれて広島からやってきた切り絵作家の濱田久美子によるものです。
- 著者:
- 玉井恵美子
- 装丁:
- 梅田唯史
- 切り絵:
- 濱田久美子
- 編集・発行者:
- 中澤鴻吉
- 発行:
- WINDCHIMEBOOKS
- 発行日:
- 2005年7月5日
- ISBN:
- 987-4-9901710-4-7 C0095
- ページ数:
- 240ページ
- サイズ:
- 108×175mm
玉井恵美子emikotamai1968年4月生まれ。大阪出身。2002年より大阪星ヶ丘という町の古い洋裁学校の裏庭で、ご主人の玉井健二さんとともにSEWINGTABLECOFFEEという喫茶室を営む。2010年より、日々過ごす中からつむがれた衣SOSEA(ソーシー)を立ち上げ、喫茶のあいまで衣を縫っている。年に何度かSOSEAとして衣の展示をする他、SEWINGTABLECOFFEEでは器や帽子など、生活の手仕事の中から生まれたものものが、たまに置かれてたりします。
http://tamazkue.sakura.ne.jp/pg1.html