素描家shunshunさんの二冊目の画集。展覧会で作品を実際に見るのがもちろんいいのだけど、本として手元で眺めることができるということに嬉しさを感じます。自分だけの時間の流れを感じながら、描かれた作品に呼吸を合わせることができる。そして、shunshunさんの詩、言葉にふれて、何かのたびに、何もなくても手にして頁をめくりたくなる本です。
しゅんしゅんさんが描く絵は詩のようにも感じられます。線からなる絵に色を想い、人を想い、においを想います。風を感じ、光を感じ、ぬくもりを感じます。場所やそのものを描いているだけではなく、気持ちを通って感じとったものを描きだしているからです。しゅんしゅんさんは単に絵を描く人ではなく「素描家」。しゅんしゅんさんが言う素描とは、素直に、素朴に、素早く描くこと。「素」というのは人や物が持つ最も大切な部分で、ただ一方的に描くのではなく、心と繋がり合って絵を生み出しています。線、絵、繋、素、すべての字に「糸」があり、私たちも、しゅんしゅんさんが紡ぎ描いた糸によって出会えたのだと嬉しく思っています。
- サイズ:
- B5 P108 74works,
- その他:
- 12poems&text 1st Edition of 1,000