坂本真衣子さんの手製本のノート。想いをめぐらせ布や紙を選び、布を裏打ちして、ボール紙を切って、貼って、紙を切って、かがって、また貼って、プレスして……。一冊、一冊、指先から気持ちを送り込んでできたものです。きれいな布ばりのノートなので大切に使いたいのはもちろんなのですが、ぼろぼろになるまでつかって欲しいと真衣子さんは言います。使うことで、その人と過ごす時間がしみ込んで、その人だからこその一冊しかないノートというより本になります。
真衣子さんは製本を習い続け、今は一生の自分の手仕事にしたいと考えられています。マーガレットプレスなど本という形で製本に向き合い、次のステップとしてノートを作っておられます。作るのが本ではなく白い紙のノートであっても、その場所や、その時にかかわる人のかけら、時間や記憶を綴じ込みたいという想いを持って、どういうものを作るかを考えられます。それは、本を作る作業で文章を読み込んで、作品を何度も見て、内容の世界感をあらわしたいという思いで製本のイメージをつくってきたからだといいます。
真衣子さんは誰かとかかわりながら本やノートをつくりあげることを大切にしています。人や、時間や、場所、手を動かしながら繋がるものをノートとして一緒に綴じていく作業をなによりも楽しんでおられるようにいつも思います。森のノートシリーズは、森をイメージして制作されたノートです。
- サイズ:
- W120×D12×H159
- 頁数:
- 96ページ
坂本真衣子maikosakamoto1976年生まれ。岡山県出身、神奈川県在住。2007年より製本を学びはじめ、2009年4月より手製本を制作するユニット、マーガレットプレスとして活動をはじめる。