日々の気づき、京都の町家での暮らし、家族や人との繋がりから感じたこと。ひとつの種から芽が出て、読み進めることで花が咲くのをイメージしてつくりました。読み終わったあとには、その人の心にひとつの種がぽとりと落ち、またそこから日々がはじまることを思って、表紙は“種を落とす手”にしています。

 夫婦ふたりが「本」を作る上で、表現したいことに挑戦した一冊です。私は一冊、一冊、刺繍をしたいと扉の竹紙に種を糸で描き、彼は手製本で表紙をつくりたいとフランス装という装丁を調べて一冊、一冊、紙を折ってつける形にしました。自分たちの出版社だからこそ出来る作業でもありますが、ブックロアだからこその「本」をつくりたいということを実現できたように思います。