葉書の絵は『その ひとつ  から』として、いつものなかに生まれるぬくもりを思い、日常の風景を縫い描いたものです。

「こころほころぶ」は、父が挿し木で育てたミニバラの絵で、家の物干し場で育てています。小さな蕾をつけるたびに、自分のまん中にあたたかなものが生まれるのを感じます。

「日々のそばに」は雀の絵。雀は昔から人の暮らしがあるそばでないと生きていけないそうです。気にしなければ見過ごしてしまうことを、より近くに感じ大切にしたい。そんな思いもあって、雀の絵をよく描きます。

「かたすみの景色」は、母の畑のすみっこに落ちていた洗濯バサミです。落ちているといっても野菜を育てるために活躍している道具であって、母がいつも見つめている風景だと感じて描きました。

「たよりにのせて」は万年筆で手紙を書く様子。雲の生まれるところのご発送の際にも、お届けする方を思って手紙を添えることを大切にしています。右手だけじゃなく、左手も添えて。ひとつひとつのことに丁寧に向き合いたい、そんな思いで私自身の手を描きました。

(畑尾和美)