出来たばかりの「耳の人」を鞄にしのばせて、電車で、喫茶で、公園で、何度も何度も読みました。西尾さんの詩集はこれまで、ひとつ、ひとつの詩が木々のように森をつくり、浮かぶ雲のように空を思わせてくれました。でも、今回は詩でつづる「耳の人」という物語。耳の人に出会うある人を通しての話に、読む人はイメージをふくらませて、やんわりさせて、ゆるやかになるような、かたちはなくとも道がすっとのびている詩集になっています。もう何回も読んだはずなのに、読むごとに注ぐ気持ちがかわるような気がするのも、その時々の自分自身も物語に入ってしまうからかもしれません。西尾さんの詩は、読むほどに興味を誘います。西尾さんの詩は、心のどこかをゆるめてくれます。西尾さんの詩は余白や隙間を心地よく感じます。だからきっと多くの方が楽しみに待っているのだと思います。西尾さんの言葉に出会った時、嬉しいと感じるのだと思います。

この場をかりて、西尾さん、いつもありがとうございます。今後ともブックロアをどうぞよろしくお願いします。