ながしまゆうこさんとの出会いは、朗読会を行うために新潟県長岡市のギャラリーmu-anに伺った時のこと。『ボタンとリボン』の一冊目に載せていただいた「雨の唄」を読みましたと、ゆうこさんが話しかけてくださったことから。初めての新潟、知っている人のほとんどいない土地で、あたたかな灯かりがぽっと心にともったような嬉しさをいただきました。その後も、お手紙を幾度となくくださいました。届く手紙には、毎回違った手づくりのはんこを押してくれています。ゆうこさんのはんこは、絵で直接描くのとは違った親しみ深さを感じるものでした。
結婚のお祝いのために手紙を送ってくださった際には、私の名前のはんこをつくって押してくれていました。その手紙だけのためにつくってくれたはんこ。もう次に使う機会がないとしても、気持ちをはんこに込めて記す。人を想いながら手を動かす。つくりたいという気持ち、つくっていて愉しいの心をゆうこさんは届けてくれます。

私の本『九月の朝顔』の表紙のためにも、はんこを作っていただいたご縁もあり、ぜひ今回いろんな方にゆうこさんのはんこを紹介したいと思いました。どこか懐かしさを感じる、ゆうこさんが描くはんこ。眺めるだけではなく、誰かのもとへ届ける便りに、季節を記すひとこまに、お手元でぜひ押して使っていただきたいです。